5月某日ー
一人の男が頭を抱えて道にうずくまっていた。
彼の名は三島あじ太郎(仮名)31歳。職業はプロの無職である。
「お金が…無くて、1週間以上何も食べてないんです…。牛丼でいいのでおごってもらえませんか…?」
彼はパチスロをメインに生計を立てていた(※)のだが、コロナ禍によるパチンコ店の自主休業のあおりを受け、収入がほとんど途絶えたそうだ。わずかな貯金を切り崩しながら生活していたのだが、それも遂に途絶えたらしい。(※詳しくは過去の密着取材をご覧いただきたい)
縁のない間柄ではない。我々は彼に松屋の牛丼をおごることにした。
過去の密着取材はこちら
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松屋のカルビ焼肉定食が好きです
バクバクとカルビ焼肉定食(牛丼並と約束したのだが、無理やり押し切られてしまった)を頬張る彼に質問してみた。
Q.パチンコ店が開いていないと思うのですが、最近はなにを?
「そうですね。今はコンサルティングの仕事をしています」
Q.コンサルティングとはどんな?
「色々やっているのですが、例えば空き缶拾い。過去のハイエナの経験を生かして、空き缶拾いの効率的なルート取りや、優良ゴミ箱マップを作成し、必要な方向けにコンサルティングをしています」
Q.収入はどのくらい?
「ほぼないっすよ。ボランティアみたいなものなので。たまに鬼殺し貰ったりする感じですかね。あ、ポテトサラダ追加していいすか?」
…面白い。そう思った我々は、彼に密着取材を試みることにした。
出走開始まで、あと7日ー
5月17日、その時歴史が動いたー
1週間後、我々が彼の家を訪れると彼は新聞を広げていた。どうやらスポーツ新聞のようだ。
Q.何をされているのですか?
「いや、見たら分かるでしょ。競馬の予想でしょ。ヴィクトリアマイル」
Q.お金あるんですか?
「空き缶拾って、なんとか10万貯めました。給付金もそのうち貰えるらしいし、この10万円で勝負しようと思っています」
そう言ったと思った瞬間、彼はiPhoneをおもむろに操作し始めた。馬券を購入しているのだろう。
8枠18番サウンドキアラの単勝である。
Q.どうしてサウンドキアラを?
「いや、なんかよう分からんねんけどいける気がした。まぁ大外とか色々あんねんけど、めんどなって単勝にしたわ。細けぇことはいいんだよ」
Q.流石にアーモンドアイ外しは無謀なのでは?
「どっちかっていうと、アーモンドよりピーナッツ派やねん」
興奮しているのだろうか。少し地元の方言が出ているようだ。
出走開始まで、あと25分ー
ヴィクトリアマイルで10万負けた男
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「アーーモンドアイ!!ゴーーールインッ!!」
「現役最強馬!アーモンドアイここにありッ!!」
圧勝。まさにその言葉がふさわしいレースだった。
もちろん、サウンドキアラではない。アーモンドアイの圧勝。現役最強馬の貫録を見せつける、圧倒的な勝利だった。
サウンドキアラは健闘したものの2着。彼の馬券はゴミ屑となり、レースは幕を閉じた。
Q.負けてしまいましたね?
「しょぼーん (´・ω・`)」
Q.複勝とか2着固定にしていたらよかったのでは?
「しょぼーん (´・ω・`)」
Q.明日からは何を?
「しょぼ…しょぼくれててもしょうがないので、頑張って空き缶拾いに行ってきます(`・ω・´)キリッ」
こうして、彼は空き缶拾いへと旅立っていった。給付金が貰えるその日まで…!!
まとめ
負けました。しょぼーん(´・ω・`)
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