まず最初になぜこんなことになったのかについて。
私はお金持ちではないが、そこまで貧乏でもないので、全財産が6000円しかなかったみたいな話ではなく、人為的なミスが重なった結果である。端的にいうと、パチ屋の会員カードとか銀行のキャッシュカードとかを入れているカードケース的なものを家に忘れてしまった。
私は普段財布を持ち歩いておらず、お札はマネークリップ的なものに挟んでズボンの右後ろポケット、カードケースを左後ろポケット、小銭を右前ポケットみたいな感じなのだが、その日は右後ろポケットにしかモノが入っていなかった。
忘れたのか落としたのかスられたのか
気づいたのは抽選が終わり、店の前に再整列している時。
入っているはずのところにあるべきモノがないとヒヤッとしてしまうのは万国共通だと思うが、その時の私は意外なまでに冷静であった。
家からパチ屋に向かう途中、どこかで落としてしまった可能性もゼロではないが、その日は一度もカードケースに触れていなかったし、ズボンの構造上、どこかに落としたというのは考えづらい。可能性としてはスリの銀次にスラれたことぐらいだが、私のファッションは基本的にキレイめのホームレスをイメージしたものであり、スるならもっとお金を持ってそうな人を狙うだろう。
九分九厘大丈夫。普通に考えたらカードケースを家に忘れただけ。そんなことよりも朝一のパチ屋で6000円しか持っていないことに不安を覚える。
狙い台について
詳しい理由は割愛するが、その日の狙いはサミー系の６号機、かつ設置台数が少なめの台であった。機種でいうと北斗天昇、エウレカ、物語あたり。高設定域の割が高いのと、設定判別的な理由で天昇が第一候補だったのだが、他二機種に比べると天昇の初当たり確率は重く、単純なスペックだけでいうと初期投資がかかりやすい。
うーむ困った。抽選の結果は30番ぐらいだったので選り好みできる番号ではなく、もうここまで来たら運に任せるしかない。…とか考えている間に開店。私がシマにたどり着く頃には天昇にはすでに先客。0.2秒ほど悩んだ挙句、私がおさえた台は物語であった。
天昇に比べ初当たり確率が高いといっても、所持金が6000円で十分かと言われれば全く十分ではない。物語シリーズの初当たり確率は（仮に設定6でも）約1/222。1000円あたり50ゲームほど回るので、5000円あれば1回は当たりが取れる計算であるが、逆にいうとその1回で決める必要がある上に、ヒキが少し悪ければ300ゲーム弱で手放す必要がある。
当然、打たずに家に帰るという選択肢もあったし、適当なところで休憩を入れるという選択肢もあった。だがしかし、家とそのパチ屋は往復約45分。30分の休憩時間には間に合わない。事情を店員に話せば、休憩時間くらいは多少融通してくれるかもしれないが、それはできれば避けたい。
6000円以内に初当たりを引いて、一発でハッピータイムに突入させ、所持金が尽きる前にある程度の出玉を得るのがベスト。困難なミッションではあるが、高設定であれば決して不可能なことではない。
疑って安全を保つより、信じて裏切られた方が良い。
打つ自由もあれば引く自由もある。ただ俺はパチスロ人。ここで引けば俺ではなくなる。
いくぞスーホ！これより我ら修羅に入る！！
最初のミッション
投資6000円以内で初当たりを引くというこの日最初にして最大のミッションは思わぬ形で達成されることになる。
75ゲーム、傾物語当選。
臥煙ステージから発展した連続演出でなんか知らんがそのまま当たった。投資は2000円。スーパーラッキー。
問題はここから。ハッピータイム（ＡＴ）に突入させなければ50枚くらいの出玉をもらって終わり。キスショットバトルの勝率には設定示唆もあるし、判別的にも重要。是が非でも高確率をもぎ取りたい。
ごくり…
怪異図柄が一直線に揃う。勝率は当然100％。ハッピータイム突入。獲得枚数370枚。
判別は全く進まなかったものの出だしは上々。何ならもう帰っても良いんじゃないかと思うほどであるが、そこはグッとこらえて続行である。
下更には400枚弱のメダル。ポケットには野口がまだ4人も残っている。仮に天井まで連れていかれても必要枚数は500枚。首は繋がった。
その後の物語
なんか知らんがめっちゃ出た。
設定はよー分からんがたぶん5かな。弱チェでポコポコ直撃してたし、奇数の上だと思うが、示唆も（たぶん）出なかったし、単品だとよー分からん。出りゃなんでもいいんだよ。
結論：6000円しかなくてもどうにかなる（場合もある）
ある日の収支
投資100枚
回収3090枚
プラス2990枚
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